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2017/04/14

3月オリーブ千葉読書会の参加者からの感想

Tweet ThisSend to Facebook | by:佐々木
3月の読書会の参加者から感想が寄せられました。


日本一新の会(多摩出張所)

<みうらのま> 船橋節考(オリーブ千 読書会)   03/30
http://nipponissintama.blog.fc2.com/blog-entry-581.html


 オリーブ千葉の読書会に参加した。
 書生談義や陰謀論に陥らない地に足の着いた人生の諸先輩による話を聞くのが

楽しく、ときどき末席を汚している。

 課題図書は「日本会議の正体  青木理」。出版当時は「日本会議の研究」の

二番煎じの感があり、立ち読みで済ませたが、偶然にも森友台風の発生に伴い、

すこぶるタイムリーな選択となった。

 会合では二見伸明先生による、日本会議の根源を平田篤胤や本居宣長の国学に

求めるご指摘はじめ、多くの傾聴に値する意見が述べられたが、なかでもモーゼの

海割れのように感じられた、あの瞬間を書かずにはいられない。

 いつも息子さんとの会話を敷衍して舌鋒鋭く持論を展開するMさんは今回も保育所

問題などから、現代社会における子育ての困難を語り始めた。隣の女性も、それに

大きく、うなずいている。
 そこから、自身のPTA経験などを例にして、今の親が学校教育に依存しすぎる点が

責任放棄である、と論を進める。
 実体験に基づく現代子育て批判に是も非もないのだが、熱弁をふるう内容が

高橋史朗氏が推進するトンデモ教育論の親学やそれに賛同する人達の意見に限り

なく近づいてきているな。。と思っていたところに、二見先生から、
 「だから、彼ら(日本会議)は教育に口を出したがり、憲法で家族を規定しようとして

いるのだろう」 という指摘が入り、少しほっとした。
 これに対してMさんは、それまでの力説から1ミリもブレることなく、「同じこと!教育を

学校に依託するのも、家族を憲法で保証してもらおうとするも、同じひ弱な依存心なの!」

 「あ」という声を私が実際に発したかどうかは分からない。しかし、この瞬間、ダイダラ

ボッチが大河を一跨ぎするのを見た気がしたのだ。
 男たちが大河のホトリでウダウダと「船を作ろう、橋にしよう」とやっている姿こそ、私を

含む大半の男たちの心に住む「日本会議的なるもの」ではないか。(ついでにいえば、

「船を作るなら、橋を作るなら、オレの友達に」が森友学園問題ではないか。)
 子供に対峙した母は司法にも行政にも頼らず、自分の足で大河を一跨ぎする。しなけ

ればならない。これは国家とは別次元の話で。

 楢山節考の最後の場面。息子が夢中で捨てられた母親に会いに行くと、雪の中で

母親が無言のまま「来るな」と手で追い払うシーン。独立した個人を育て上げるための

子育てというのは本源的に壮絶なもので、文明が進んでも、福祉が充実しても、人が

自分ひとりで死と対峙しなくてはならないのと同じで、その本質は変わらない。(そこは

子育てを経験する多くの母親に同意してもらえるのでは、ないかしら。櫻井よしこ氏や

曽野綾子氏の「母性の品格」をいちど、全国の母親に聞いてみたい。)

 本来、依託のしようがない「生そのもの」に対する逃避と救済の共犯関係という大き

すぎる背景が日本会議の向こうに広がっているのを垣間見た気がした。

 


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