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2015/01/19

オリーブ千葉の読書会に参加してきました

Tweet ThisSend to Facebook | by:olc_admin

   《オリーブ千葉の読書会に参加してきました》

矢部宏治著『日本はなぜ、「基地」と「原発」をとめられないのか』を用いて、
8名の参加者で、船橋市の狭いカラオケ店の一室で読書会が行われました。
すっぽり抜け落ちていた戦後史を学ぶ、とても楽しい議論の場でした。

司会者が「読書会ノート」を用意しくれました。
資料の内容は、「著者の問題意識」「年表」「重要文書の抜粋」「目から

うろこの解説」 「著者の提案」「議論テーマ」となっていて、各項目に

該当するページが記されていたため、とても参考になりました。

今回は、3時間を使いましたが、議論が飛んで?飛んで?、結局、司会者の話

では予定の1/3しか議論できなかったとため息?
この本の議論が深まったのは、「大西洋憲章」と「国連憲章の敵国条項」の

2つのテーマでした。
まず一番に驚いたのは、第二次世界大戦で、まだ日本が参戦する以前、

ドイツ優勢の戦況下で、大西洋憲章が英米国で調印されていたことです。
もう一つは、大戦後の枠組みの殆どが、すでにの時点で作られていた

わけです。
そして4年後の同じ814日にポツダム宣言受諾で、大西洋憲章で想定した

通りに終結したのです。
英米国は世界戦争を拡大させる前に、その戦後処理を計画し、4年後の

同じ日に勝利宣言。
出口戦略を持たず、甘い見通しで突っ込んで行き、多くの兵士を飢え死に

させた日本とはなんという違いでしょうか!
その大西洋憲章の主要な理念が日本国憲法に受け継がれています。
まさに彼らは政治のプロ中のプロです。

戦後、大西洋憲章をもとに国連憲章が作られましたが その53条と107条に

「敵国条項」という敗戦国への差別条項が、いまだ戦後70年たっても削除

されていない点が議論になりました。
日本では、その事実と重要さが殆どの国民に認知されていません。

そのあまりにつらい現実を直視できないからなの?
しかも、ドイツはいつの間にか実質的に敵国条項が外れているようなのです。
日本の場合、常任理事国5か国の何処かの国が、日本の敵国条項削除を否認

しているわけです。

それは、中国ですか?ロシアですか?あるいは米国ですか?
日本は、これまでかなりの資金を常任理事国入りの為に使ってきたわけで、

敵国条項さえ外せない状況で、一体、外務省は何を考えているのでしょうか?
何処かの国にカネをばらまけば、どうにかしてやると耳もとで囁かれたとでも

言うのでしょうか?
何故、日本では基地、原発がとめられないのか?

この深刻な問題の原点は、戦後70年も経ながら敗戦国への敵国条項が

削除されないことに繋がるのでは?
何故、133か所もの米軍基地が無くならないのか?
何故、検察警察が東電に捜査に入らないのか?
何故、首都圏の上空の管制権が米軍に握られているのか?
何故、基地、安保、原発に関する訴訟は全て敗訴するのか?
何故、鳩山、小沢政権が10ヶ月で崩壊したのか?
何故、官僚達が「首相以外の何か」に忠誠?
色々な疑問が、この日本の敵国条項の存在と繋がっているように見えます。

もう一つは、 参加者から、デービッド・アトキンソン氏(小西美術工藝社の社長)
の言葉が紹介されました。
【何故、日本は列強の植民地にならなかったか?】
実は、日本は江戸時代に既にGDP世界6位の国力を持つ国であり 、
当時、天下のイギリスでさえ500万人だったのに、日本は3000万人以上の

識字率だったそうです。
そんな国を列強と言えども、植民地になど出来なかったのが現実でした。
私は、明治政府が、富国強兵をうまくやったから植民地にならなかったと

思っていたので、目からウロコの話でした。

以上、忘れないうちにと、今日の船橋での読書会での議論の概要を、急ぎ

書き出して見ました。


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