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2015/03/24

(評論)株式市場は年金資金等の総動員による「官製相場」の様相

Tweet ThisSend to Facebook | by:olc_admin

株式市場は年金資金等の総動員による「官製相場」の様相となる

A)    「国民の年金資産」を市場運用にさらすな...!! として、公的年金の株式運用に一言メモったのは昨年11

11日。 その後、市場は政府が主導した巨額の年金資金投入の影響もあってか、日経平均株価225種は

9月末16,173円、12月末17,450円となり、この320日には19,560円、特に2月第2週から3

3(この20)まで6週連続で上昇し、約15年振りの高値となった。 この間、「GPIF」は10-12月の

3ヶで運用益6.6兆円ものプラス、3四半期期連続の黒字を計上。 その運用資産額は137兆円にもなり

公的年金の自主運用開始以来の最高額となった。

 

B)    資金運用のポートフォリオは、上述メモで指摘した「KKR」は、225日に「GPIF」のレベルに変更を公表

した。  更に、この10月からは『年金一元化法』が施行され、年金制度が一体化されることに伴っての

措置として、「地共連」・「私学共済」もポートフォリオを変更すると想定されていたが、この3月20()で事実

その通りとなった。

 

C)    更にさらに、小泉改革で誕生した「郵政」関連もこの10月には株式上場を予定しており、これ等を前提に

して取り纏めたのが次の一覧である。 これ等は当該関連HP・市場情報をチェックし個別数字をトータル

したもので、敢えて一覧にする。 〈付言すれば、これをメモった時点の最新情報では、買付余力はトータル

27兆円にもなるとの情報もある。 (個別の数字には多少の違いがあることをご了承願いたい。)

 

D)    その資産規模・現状の投資額・買付余力の巨大さは、今の市場相場が年金資金によるクジラ買いの爆発力

による「官製相場」そのものと言われる所以である。

【金額単位/兆円】

各年金基金
のポートフォリオ

日本株

外国株

国内債権

外国債券

資産規模

国内株
現 状

国内株
買付余力

a)    金積立金管理運用 独立行政法人(GPIF)

25%
(
乖離許容幅±9)

25%
(
同左±8)

35%
(
同左±10)

15%
(
同左±4)

137.0

27.1

7.1

(最大 67%まで 可能)

 

 

b)    国家公務員共済組合連合会 (KKR)

25%
(
乖離許容幅±10)

25%
(
同左±10)

35%
(
同左±30)

15%
(
同左±10)

7.3

0.5

1.3

(最大 70%まで 可能)

 

 

c)   地方公務員共済組合連合会(地共連)

注イ)  ポートフォリオ変更は、GPIF/26.10.31KKR/27.2.25。 地共連・私学共済はこの320()に、GPIFに合わせてKKR同様に資産構成の目安をそのまま採用すると変更を発表した。 資金運用自体は三共済がそれぞれ独自運用するとしている。 

18.9

3.0

1.7

d.)  本私立学校振興・

共済事業団 (私学
     共済)

3.8

0.4

0.6

注ロ)  三共済の国内株基本ポートフォリオがGPISと同じレベルなると、買付余力とその総額は巨額なものになる。 市場の予測は尋常では計り知れないのが常であり、過去の急激な下落局面をどう教訓とした出口戦略がどうなるのか?

 a) - d) 
合計  ⇒

167.0

31.0

10.7

e)  日銀/ETF

-

-

-

-

-

4.3

2.4

f)  かんぽ生命

〔 上場前後に、一部では国内株に 5%を想定する情報がある。〕

85.0

0.0

4.2

g)  ゆぅちょ銀行

〔 同上 〕

205.0

0.0

10.2

注ハ) 資産規模・国内株の現状はa)f)g)2612月末、b)c))d263月末時点。e) の日銀は27310日時点のETF (指数連動型上場投資信託) 残高。

 a) - g) 
合計  ⇒

-

35.3

27.5


《付記》 上記一覧に付記。

 

 TPP」の大きな項目である農業、その金融の総本山である「農林中央金庫」にも一言。

 

※ 農林中央金庫は全国約 700ある「地域農協」と「県信連」を通したその資金量は約 80兆ある。 メガバンク

に匹敵する規模を誇るが、農業関係への融資は農業と関連ある食品等を含めて4兆円。 農業とは関係の

ない大企業等へ16兆円、有価証券への投資額は57兆円とも言われる。

 

2008年のリーマン・ショックで損失を出し、以降は株式市場への投資は控えめとも言われるが、現今の上述

環境から、既に相応額が有価証券と言うよりも株そのものへ向かっているとの観測もある。 一般には報道

されていない巨大資金が動き出した様である。 他にもあるやも...

 

さて、問題は、これ等の運用には多々問題・課題があると思わざるを得ないことである。 別途に、項目を

改めて思考してみよう..。                      2015/27.3.22   - 佐倉//塙-             

 

     


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