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2015/07/14

第7回 読書会の報告---レジメ(4)付

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【 第7回 読書会の報告---レジメ(4)付 】


7回オリーブ千葉読書会を2
015712日(日)14時?17時に船橋市で実施いたしました。

 

(書 籍) 山下祐介著 『地方消滅の罠---「増田レポート」と人口減少社会の正体』 (ちくま新書、2014年刊)


山下さんが考える人口減少問題の原因と課題は以下の5つとなります。

<第一>      これは心理戦であること。・・・(中略)・・・人々は「なにくそ、負けるものか」に向かわずに、「仕方ない」、「どうしょうもない」に傾きつつあるようだ。まずは、その罠から脱却せねばならない。

<第二>      悪循環をいかに断ち切るかが最大の問題であること。人口減少社会の到来は、近年起こったものではない。・・・(中略)・・・問題は、この悪循環をいかに好循環へと切り替えられるかである。この間の社会の在り方には何らかの欠陥があり、それを正すこと、いわば「路線の変更・修正」が求められる。その点で、今回の日本創成会議の「増田レポート」は元の路線の延長上にあり、さらに悪循環を促進させるのではないか。この点が著者のもっとも危惧するところである。

<第三>      この悪循環の根本には、暮らしと経済の対立があること。本来、この二つは両立するはずであり、国民は豊かな暮らしを実現するために、国の経済力を高める戦線に参戦してきたはずだった。しかし、いつの間にか国民経済をハイレベルで確保することだけが優先されて、そのために家族や個々の暮らしが犠牲になってしまっている。家族や個々の暮らしが圧迫されれば子育てはできない。子供も生まれない。それが人口減少の根本原因である。

<第四>      これは家族問題だということ。その際、一緒に住んでいる世帯だけを見ていては、家族という存在を見誤るだろう。・・・(中略)・・・家族や地域を正しくとらえ、新しく持続可能な家族や地域社会のあり方を構想する必要がある。そして、そこに高齢者福祉や農業・農村再生、UJIターンや小さな拠点、子育て支援などの政策や制度がどう絡んでくるのかが問われるのである。

<第五>      地域問題を解く手がかりは、家族とともに、やはり自治体にあるだろうということ。むろん、現在の自治体には、地域が抱える悪循環をしっかりと問題提起し、解決へと結びつけられるような能力や権限はない。いや、正確には権限はあるのだが、その手段・手法が確立されていない。その手段・手法を自治の根源から問い直す必要がありそうだ。例えば、「住民とは誰か」、「自治体の領土とは何か」、あるいはまた、その自治や自立はいかに確立されうるのか。こうしたことが、私たちの未来を占ううえで、非常に重要な問いになってきたようだ。自治体をいま一度、大きな国家の中の小さな国として見つめ直し、本当の自治体を構想することが、この事態を切り抜け、正循環へと引き戻していく確実な道筋ではないか。逆に言えば、自治の未成熟こそが、現在の悪循環の大元にあるものではないか。

オリーブ千葉読書会レジメ (4).pdf

今回からは、二見伸明先生(元運輸大臣)に当該読書テーマに関連する政治家としての経験談を聞かせていただくコーナーを設置しました。今回は、地方自治に関わるお話を伺いました。

なお、8月は読書会を一回お休みして、第8回読書会は9月13日(日)14時―17時に船橋市で実施する予定です。

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