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2015/02/14

「日本一新運動」の原点―252

Tweet ThisSend to Facebook | by:olc_admin
《「日本一新運動」の原点―252》

                                                       日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観

○日本一新運動・新年会報告 (3)

新年会における私への質問2)は「戦後日本を考えると『すべての軍事力と交戦権を放棄した憲法9条』
と、『人類史上最大の攻撃力を持つ米軍の駐留』という矛盾を内包したまま国家権力構造が確立した。
護憲派の『9条を守れ』の主張だと、永遠に米軍を撤退させることができないが、どう思うか」というものだ
った。
(憲法についての直近の世論調査)
2月1日(日)の朝日新聞に、興味ある世論調査が載っていた。 『憲法について』で昨年暮れの総選
挙の立候補者と有権者を対象としたものだ。
それによると「憲法改正」について、有権者の33%が賛成、(9条・31%)、当選議員の84%が賛成(9
条・1 9%)とのこと。 憲法9条の理念を変更する改正には、有権者では3分の2以上が反対だ。 当選
議員の80%近くが反対である。 自公の当選者に慎重な意見を持つ議員があるためだろう。 安全保障
の優先順位についての調査では、有権者も当選議員も圧倒的にまず「米国」である。
これを見ると日本人の多数は、憲法9条と米軍駐留の矛盾を抵抗なく受け入れ、それが惰性化してい
るといえる。 沖縄をはじめ基地問題を抱える地域にとっては許せない問題だ。 となると、戦後70年の
日本の安全保障を検証する必要がある。 敗戦直後、平和憲法の制定時は「国連憲章」のユートピア思
想が、世界規模で?瞬間的?に存在した。 しかし、米ソ冷戦が始まると共産圏から の侵略と国内で武
力的に革命を行うという政党や勢力が安全を脅かした。 米国は平和憲法を越えた防衛体制を強要して
くる。 講和条約・日米安保条約で独立した日本には変化が起きる。 それは、共産圏から日本を護るた
めに憲法9条を改正して、再軍備を行うべきだと主張する保守右派の岸信介グループだ。 米国の国家
戦略は共産圏対策のためこの勢力を支援する。
米国追随といわれながら、占領から講和独立を成し遂げた保守リベラルの吉田茂は岸グループの動
きを戦前の軍事国家への回帰とした。 昭和29年暮れに衆議院解散か、吉田自由党内閣総辞職かを
迫られたとき、吉田首相は「軍事国家への芽を摘むまで辞めない」と反発する。 世論は、長期化した吉
田政権から離れていた。 その吉田首相を説得したのが、従兄弟で腹心の林讓治であった。 「国民を
信じましょう」と。 これは林讓治本人から、私が直接聞いた話だ。 吉田退陣後、鳩山・石橋・岸と政権が
続く。 社会党など革新派が勢力を伸ばす中で、保守合同により「自由民主党」が憲法改正を党是とし
て結成される。 かくして昭和32年に成立した岸内閣は、憲法改正と日米安保条約改定を公約し、前者
は実現せず、後者は成功した。
この時期、米国では日本について対立した意見が出る。
日本を軍事的に強化すると戦前回帰の政治になるとの意見と、共産圏に対して強い防壁にすべしと
の意見である。 岸内閣の安保強行改定後、米国では日米安保体制を共産圏への対抗だけではなく、
日本の戦前軍事国家への防御として位置づけるようになった。 かくして米軍の長期駐留と憲法九条の
妥協が固定化する。 これでは我が国の真の独立は永久にない。
だがしかし、憲法9条のもとで米軍の駐留をなくする方策を考えた政治家がいた。 小沢一郎氏である。
きっかけは平成元年12月の米ソ冷戦終結で、毎日のように私は議論に巻き込まれた。 冷戦終結から
湾岸戦争に至る国際政治の構造変化の中で、当時の自民党幹事長・小沢一郎はこのままの混乱が続
けば、西暦2020年までに国連を改革強化して、国連警察軍を創設して世界の秩序を維持する仕組み
をつくらないと世界は大混乱になるとの意見。 現在の中東問題を予言していた。
日本の国権の発動とならない、自衛隊とは別組織の国連の指揮下で活動する?国連警察隊?を設
置し自衛隊は国内の災害・治安などに専念するという構想だ。 また、PKO訓練センターを日本につくり
国連への協力を行い、そこには各国からの国連協力隊に参加してもらうとの発想もあり、米軍基地は順
次撤退していくということであった。 歴史とは不思議なもので、現在米国オバマ政権が一番に警戒して
いるのが反米テロであり、2番目は日本の戦前回帰である。 最近では、米国の「安保マフィア」の心配も
そこにあるとの声が聞こえてくる。

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