「自立と共生」の豊かな社会の実現をめざす市民の会
     オリーブ千葉
 

会員の投稿

会員からの投稿 >> 記事詳細

2015/02/05

日本一新の会 メルマガ配信 (第251号)

Tweet ThisSend to Facebook | by:olc_admin

日本一新の会 メルマガ配信
━━
【日本一新】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                   通巻第251号・2015/2/5
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
                     顧問:戸田 邦司
                     発行:平野 貞夫
                     編集:大島 楯臣
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「日本一新運動」の原点251
 
            日本一新の会・代表 平野 貞夫妙観
 
「ISIL」(イスラム国)による日本人人質殺害事件について、
ひとこと記しておきたい。日本人で中東の歴史を学び、平和と民
衆の福寿でもっとも貢献したのは中曽根政権時代の安倍晋太郎外
相だった。その息子の安倍首相時代に、こんな惨事とは! 歴史
は厳しい。相手は異常集団だ。再発防止のため、惨事発生前後の
安倍首相の発言と政府対応の検証が必要だ。父、晋太郎氏の精神
を忘れないでほしい。
 
日本一新運動・新年会報告 (2)
 
 1月25日(日)の3団体の有志による新年会では日本の戦後
政治の根本に関わる鋭い質問があった。メールで送られた2つの
質問への回答を補充整理してみる。
 
(質問要旨)
1)砂川裁判・最高裁判決で日米安保条約は憲法を超越する存在
となり「基地」や「原発」は日本の法制度をもって解決すること
ができなくなったとの主張をどう考えるか。
 
2)戦後日本を考えると「すべての軍事力と交戦権を放棄した憲
法9条」と「人類史上最大の攻撃力を持つ米軍の駐留」という矛
盾を内包したまま国家権力構造が確立した。護憲派の「9条を守
れ」の主張だと永遠に米軍を撤退させることができないが、どう
思うか。
 
 これらの質問は、昨年刊行された矢部宏治氏の『日本はなぜ
「基地」と「原発」を止められないのか』で指摘されている問題
である。非常に重大な問題なので、本号で1)を、次号で2)に
ついて意見を述べることにする。
 
 質問1)は、憲法81条【法令審査権と最高裁判所】「最高裁
判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかし
ないかを決定する権限を有する終審裁判所である」という規定の
運用についてである。
 この規定にもかかわらず、「きわめて政治性の高い国家統治の
基本行為」は『司法権限外』として「憲法慣行論」で国家が運営
されている。例えば、国会に関することで「衆議院の解散の無効・
有効」とか「国会での法案採決の無効・有効」などである。これ
を『統治行為論』といい、国会事務局の最大の任務は「司法の権
限外」とする国会の行為を憲法に違反させないことにある、と言
っても過言ではない。
 
 砂川裁判の最高裁判決を正確に読むと「国の存立に重大な関係
を持つ、高度な政治性」と「一見、明白に違憲無効と認められな
い限り」とある。これは『司法権の範囲外』とするということで
ある。『範囲外』とは『権限外』とは違って、統治行為論の範囲
を決める判断をするのは司法権であることを前提にしている。
 とはいってもその基準はなく、憲法の運用をきわめて不安定に
している。「基地」や「原発」などについて、さまざまな判決が
あるが、最終審のほとんどの最高裁の判決は日米安保条約を維持
することを法理論より優先させていることは事実である。この原
因を制度の問題にすると、ものごとの本質を見落とす。「制度」
とは詰まるところ人がつくるものであり、国家権力に関わる人間
の問題であるといえる。
 敗戦により日本は事実上米国によって占領された。米国は日本
の米国式民主化を目的とし、多くの日本人はそれを受け入れた。
同時に米国文化に同化していく日本社会には、さまざまな問題が
生じることになる。占領と復興期の首相であった吉田茂は、恩師・
鈴木貫太郎の遺言で「敗けっぷりの良い政治を目指した」と回顧
している。実際は巧みな駆け引きで米国を利用し最後は嫌われた。
新憲法や講和条約・日米安保体制を、ひと言で「対米追随」と片
付けられない厳しい現実があった。
 
 米ソ冷戦が始まると、米国は日本をソ連圏に対抗させるため、
軍事的かつ思想的に同盟化していく。米国の国家戦略は、官僚・
マスコミ・学者有識者等を中心に「顔は日本人、精神は米国人」
を養成して、各界で指導者層をつくることにあった。「日米の秩
序は我々が守る」とする、日米「司法マフィア」が暗躍したのが
ロッキード事件だ。冷戦終結後は米国資本主義を守るため、その
体制は続く。「安保マフィア」は有名だ。
 残念ながら、戦後70年の日本の国家権力を表裏で動かしてき
たのは、米国の「ジャパン・ハンドラー」といわれる人々の影響
を受けている日本の指導者たちである。これから自立しようとし
たのが、平成の政治改革であり、日本一新運動の原点である。

11:54 | 投票する | 投票数(2) | コメント(0)